京都デニム|日本の伝統色 紅梅色(こうばいいろ)

梅の花立ち寄るばかりありしより人のとがむる香にぞしみぬる 古今和歌集 詠人知らず(梅の花にほんの少し立ち寄ったことにより、人がすぐに気づくほどの香りに染まった)

今年は大寒ということで、近年まれにみる積雪を京都でも見ることができています。 盆地の京都は雪が降らなくても、身に染みる寒さが常ですので慣れていらっしゃる方もおありかと思います。
今月はもうじき開花を迎える梅についてご紹介します。
現在の日本では花といえば桜をさしますが、奈良時代以前では梅をさしており、
庶民から知識人まで幅広く愛されていました。
冒頭の和歌にも詠まれているように、花は桜、香り梅とよばれるように、
古来の日本人は特に梅の香りを好んだようです。
しかし梅は、花を摘むなど外部からのストレスを受けると香りが変化しやすいので、
香りの採取は困難とされています。
少しでも香りを身近に楽しむために、庭に梅の木を植える習慣が広まったのかもしれませんね。
梅を園芸学的に分類すると「花梅」と「実梅」に分けられ、
前者は鑑賞用、後者は実の採取用です。
さらに「花梅」は3つの系統に分類され、以下のような特徴があります。
野梅系(やばいけい) 原種に近い梅。枝は細く花や葉も小ぶり。香りがとてもよい。
緋梅系(ひばいけい) 野梅系が変化したもの。花は紅色や緋色がほとんど。
庭木や盆栽によく用いられる。
豊後系(ぶんごけい) 梅と杏の雑種。葉が大きく育ちが良い。花は桃色。
ところで白梅、紅梅という言葉を聞いたことはありませんか。
実はこれは花の色ではなく、枝の髄の色で分けられているのです。
通常は枝を折ってみないとわからないのですが、「ずばえ」と呼ばれる新芽をよく見てみると、
紅いものと緑のものがあることに気づきます。
ずばえは一月ごろから開花前まで見ることができますので、一度着目してみてはいかがでしょうか。
京都には右京区の梅宮大社をはじめ、
北野天満宮や御所などたくさんの梅の見どころがあります。
梅は花弁の形も様々に美しいですし、花の位置が低いので
香りも存分に楽しむことができます。
今年は上手くいけば、雪景色の中で咲く梅をみることができるかもしれませんね。