京都デニム|日本の伝統色:藤色(ふじいろ)

かくてこそ見まくほしけれよろづ代をかけてにほえる藤波の花

延喜御歌(新古今和歌集)
ようやく日差しも暖かくなり、一年で一番お花の多い季節がやってきました。
毎年桜を見に行く方は多いですね。でも桜が終われば次は何の花?
数ある春のお花の中でも、今回は「藤」についてのお話です。
「藤」といえば薄紫色の小花がこれでもか!というほど集まり、
垂れ下がるように咲いている、なかなか他のお花には見られない特徴をもっています。
その優美な姿だけでなく、長寿で繁殖力の強いことから、
豊作の予兆や神を招く依代として昔から親しまれてきました。
歴史上の人物として有名な「藤原氏」を出自としている苗字を御存知でしょうか。
これらは「十六藤」と呼ばれ、現在の私たちにも馴染みの深いものばかりです。
人口の多い苗字から順に、基となった姓を紹介します。

●佐藤・佐衛門尉藤原氏、佐野藤原氏    ●伊藤・伊勢藤原氏、伊豆藤原氏
●齋藤・斎宮寮頭藤原氏          ●加藤・加賀介藤原氏
●後藤・藤原氏後裔の意          ●近藤・近江掾藤原氏
●遠藤・遠江守藤原氏           ●工藤・木工助藤原氏
●安藤・安部藤原氏            ●内藤・内舎人藤原氏、内蔵介藤原氏
●須藤・那須郡司藤原氏          ●武藤・武蔵守藤原氏、武者所藤原氏
●進藤・修理少進藤原氏          ●尾藤・尾張守藤原氏
●神藤・諏訪神家藤原氏          ●春藤・春日藤原氏

地方に下った藤原氏が、地名や職業などから独自の苗字を作っていったことがうかがえます。
また、「藤」は十大紋の一つとして、家紋としてもよく使われています。
もともとの花の形である「下がり藤」が基本ですが、「上がり藤」のモチーフも多く、
デザインも凝った美しいものがたくさんあります。
藤のつく苗字以外にも、藤が家紋となっている家がたくさんありますので、
御自身の家紋を調べてみるのも面白いかもしれません。
京都の藤の名所は何といっても平等院ですが、竜安寺や八瀬も見事です。
最近はライトアップをしている所もあるので今年は藤を見に出かけてみてはいかがでしょうか。